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ヤンソンス指揮のブルックナー [音楽]

ドイツのバイエルン放送が、豊富な放送用音源から選りすぐった演奏をSACD/CD化する
自主レーベルをスタートさせた。

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で、ブルックナーの名作
交響曲第7番ホ長調を購入して聴いてみた。

スコアはノヴァーク版を採用している。私は第2楽章のクライマックスで打楽器群が鳴り響く
このバージョンが大好きなので、期待して聴いてみた。
バイエルン放送交響楽団は、多彩なプログラムを演奏しているが、創立時のヨッフム、
そしてクーベリックの時代からブルックナーの名演奏も印象に残っている。

第1楽章から中庸のテンポで美しい響きを味わうことができる。ブルックナー・ファンの
中には、美しい響きをあまり重視しない人もいるが、このオーケストラのバランスの良さは
自然に名曲を味わうよう誘ってくれているようだ。
「美しい」といっても軟弱ではない。出す音はしっかりと出ている。

さて、第2楽章。後半の3,4楽章が小ぶりのため、この曲では真ん中の第2楽章が頂点と
なる(以前、オイゲン・ヨッフム氏がRCOとの来日時に同じ事を言っていた)。
美しいけれど、ドイツ的な芯のしっかりした音が穏やかに流れ出してくる。
ヤンソンスのテンポも私には自然に感じる。
曲作りも、頂点への盛り上がりに自然に誘導している。おどろおどろしい演出でもなく
かといって、自然体を意識しすぎて素朴すぎるゴツゴツ感も無い。

後半の第3楽章はスケルツォに力強さとオーケストラの技術力を感じさせるキビキビした
演奏となる。中間部のトリオは軽くなりすぎることは無い。
最後の第4楽章は、人によってはこの曲の欠点といわれる。壮大なフィナーレではなく、
軽いタッチで全曲を終結してしまうのが不満かもしれない。
ヤンソンスは、ここの下手な細工を施さずに、スコアを自然に、かつバイエルン放送SOの
力をちょっと見せ付けるように察そうと進めて曲を締めくくっている。

カラヤンほどの美しさは無いが、21世紀の名演の一つと言って良いだろう。


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